宮城のお米農家まきやま(生産者:萬亀山 仁)
〒981-2101 宮城県伊具郡丸森町舘矢間木沼字宮後177

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令和6年 宮城産

ひとめぼれ

宮城産ひとめぼれ

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お米が出来るまで

お米が出来るまでを農作業の様子とともに紹介しています

お米が出来るまで

育苗土(床土)作り

種をまく育苗箱へ入れる土づくりをします。
田んぼの土を採取し、篩(ふるい)にかけるため、ビニールハウス内でしばらく乾燥させます。
乾燥させた土を砕土機で砕き、ふるって細かくします。あとは細かくなった土に肥料などを混ぜ合わせて、ようやく育苗土(床土)になります。
稲の生育を揃えるにためにも、床土も均質でなければならず、同じ性質の土が大量に必要になります。
調整が完了している育苗専用培土を購入する方法もありますが、我が家ではオリジナルにこだわり、すべて手作りです。

田んぼから採取した土
田んぼから採取した土
ハウスで乾燥中の土
ハウスで乾燥中の土
砕土機
砕土機
細かくなった土
細かくなった土

育苗箱への土入れ

一般的には田んぼの面積10aあたり約20箱の育苗箱が必要となります。
我が家では疎植(植付けの間隔が広い)のため面積当たりの必要箱数は少ないのですが、それでも2000箱以上の大量の育苗箱を使います。
使用する育苗箱は、病気などの防止のため、あらかじめ消毒しておきます。
先に作っておいた育苗土(床土)をベルトコンベア式の播種機を使って、どんどん育苗箱にいれていきます。
土入れが終わった育苗箱は、種まきまでの間、崩れないように重ねて保管しておきます。

育苗箱への土入れ
育苗箱への土入れ
土入れした育苗箱
土入れした育苗箱

砕土整地

前年の秋に田越こしした田んぼの土を、トラクターでさらに細かく砕いてを整地する作業です。
ロータリー(トラクターの後に付いている土を掘る機械)の回転スピードを上げてどんどん田んぼ土を砕きながら 平らに整地していきます。
砕土整地することで、田んぼ全体に均等に水が行きわたりやすくなり、後の代掻き作業においてもより平らな田んぼに仕上げることができます。
田んぼが平らでないと高い場所に水が行きわたらなかったり、低い場所に植えられた苗が水没したりと、田植後の水管理が大変になります。
通常は代掻きまでに1回行いますが、田んぼの状況などによっては2回行うこともあります。

トラクターでの砕土整地
トラクターでの砕土整地
砕土整地後の田んぼ
砕土整地後の田んぼ

畔塗り(あぜぬり)

畔(あぜ)には、モグラの開けた穴があったり、割れ目が出来たり土が崩れたりもします。
畔塗りは、畔から水が漏れるのを防ぐため田んぼの周りを土で塗り固めます。
水が洩れると、水管理が困難(すぐに田んぼの水が減る)になるだけではなく、除草剤や肥料の効果も低下してしまいます。
トラクターに専用の機械(畔塗り機)を取り付けての作業です。田んぼの土を削って畔の内側(壁部分)にドラム式のローラーで塗り固めていきます。
人が歩くよりも遅いくらいの速度で、ゆっくりトラクターを走らせながらの作業です。
畔塗りは、土にある程度湿り気があった方が綺麗に塗れるのですが、我が家では、畔塗り機に散水装置を取り付けてあるおかげで、多少乾いた土でも水をかけながら塗り固めるので、それなりに仕上がります。

トラクターでの畔塗り
トラクターでの畔塗り
畔塗りされた畔
畔塗りされた畔

ハウスかけ

育苗に使用するビニールハウスの準備をします。
鉄パイプの骨組みだけの状態のハウスにビニールを掛け、30cmくらいの間隔で何本ものヒモを両側から張って固定します。
風があると作業中にビニールが飛ばされてしまいますので、風のない日を選んで作業しなければなりません。
我が家では5棟の育苗用ビニールハウスがありますので、家族総出で行っても2、3日はかかります。

ハウスかけ1
ハウスかけ1
ハウスかけ2
ハウスかけ2
完成したハウス1
完成したハウス1
完成したハウス2
完成したハウス2

育苗プール作り

ハウスのビニールかけが終わったら、育苗用プールの準備をします。
我が家では「プール育苗」という栽培方法により田植までの間、苗を育てています。
プール育苗とは、出芽した育苗箱をプールに並べて、プールに水を入れて管理する育苗方法です。
プール育苗で育てた苗は、病害の発生が極めて少なく、水が均等に行きわたるのでハウス全体の苗が均一に育ちます。
ハウスの床面を枠で囲み、ビニールを敷いて水を貯めるプールを作ります。ハウス床面が平らでないと均一に水がいきわわたらないので育苗用のハウスは、ビニールを敷く前に水平に整地しておく必要があります。

育苗用プール1
育苗用プール1
育苗用プール2
育苗用プール2

種まき

浸水

消毒の終わった種籾を水漬けし、発芽を促します。
乾燥している種籾は休眠状態ですので、浸水することにより、発芽できる状態に目覚めさせます。
これから数日間、一定の積算温度に達するまで水を変えながら浸水を続けます。

種籾
種籾
浸水中の種籾
浸水中の種籾

催芽

種まきに先立ち、十分に吸水させた種籾を催芽機に入れて一気に発芽させます。

催芽機での芽だし
催芽機での芽だし

種まき

発芽させた種籾をベルトコンベア式の播種機を使って、床土を詰めた育苗箱に播きます。
播種機は ①水をかける ②種籾を落とす ③覆土をかける の流れで一箱ずつ育苗箱に播いていきます。
床土を詰めた育苗箱を播種機に投入する役、種籾や覆土を補充する役、種まきが終わった育苗箱を播種機から取り出す役とスムーズに作業を進めるには3人の作業要員が必要です。
我が家では、毎年、家族だけで行っていますので、各自の役割分担も決まっていて絶妙のチームワークで作業を進めます。
種まきが終わった育苗箱は、温かいビニールハウスの中に積み重ねて出芽(土の表面から芽が出ること)を待ちます。

種まき作業1
種まき作業1
種まき作業2
種まき作業2
種まきされた育苗箱
種まきされた育苗箱
ハウスに積み重ねた育苗箱
ハウスに積み重ねた育苗箱

プール育苗

苗箱並べ

ビニールハウスの中に積み重ねて出芽させた育苗箱を、ハウス一面に並べていきます。
並べてたばかりの苗はまだ小さいので、散水ノズルを使って毎日水やりをしますが、出芽したばかりの苗は白色で、太陽の光を浴びることでだんだん緑色に緑化していきます。

苗箱並べ
苗箱並べ
緑化し始めた苗
緑化し始めた苗

プール育苗

苗がある程度の大きさに成長したら、プールに水を入れ灌水状態で田植までの間、育てます。

プール育苗
プール育苗
生育した苗
生育した苗

代掻き(しろかき)

田植に備え、田んぼに水を張って土をさらに細かく砕き、掻き 混ぜて平らにする作業です。
苗が同じ深さに植えられるようにするための大事な作業です。
トラクターにハロー(代掻き用の機械)を取り付けて、田んぼのデコボコを水平にしていきます。
代掻きは、田んぼに引き入れる水加減が難しく、少なすぎると水が行きわたらず綺麗に仕上がりませんし、多すぎると濁った水で土が見えなく作業しずらくなったり、稲わらが浮いてしまったりします。
代掻きが終わった田んぼは、田植までの間、表面が隠れる程度に水を張って土を落ち着かせます。

代掻き前の田んぼ
代掻き前の田んぼ
代掻きの様子
代掻きの様子

田植え

宮城県では5月上旬が田植えの最盛期になります。ゴールデンウィークの連休中に行う兼業農家さんも多いです。
5月上旬から始めて月末までの約一か月間、我が家では代掻きと田植えの作業が続きます。
我が家では、側条施肥(そくじょうせひ)という方法で田植えをしています。
側条施肥は田植機に搭載した施肥機で田植(苗の移植)と同時に株の側方に肥料を施していく方法です。
稲株の側方に局所施用するので、肥料の利用効率が向上し肥料の使用量を減らすことが可能になります。
また、肥料の吸収が早く、初期生育の促進が図られ、早期の茎数確保が可能になります。
肥料が土壌中に施されるので、田んぼの水への溶け出しが少なく、養分を河川に流出させないため、環境汚染防止に効果的でもあります。

田植えの様子
田植えの様子
田植え後の田んぼ
田植え後の田んぼ

田んぼの見回り、水管理

田植え後から稲刈りまでは、毎日、田んぼの見回りをします。
田んぼの水位状況や稲の成長具合、雑草の状況などを毎朝見て回ります。
水位が不足している田んぼは、必要に応じて水を引き入れたりします。
家族で手分けしで100枚以上の数の田んぼを管理しています。

田んぼの様子1
田んぼの様子1
田んぼの様子2
田んぼの様子2

溝切り(みぞきり)

中干しを行うため、田んぼの溝切りをします。
溝切りは、田んぼに溝を切り排水口に繋げることで、排水がスムーズに行えるようにする作業です。
我が家では、まるでオートバイのような乗用溝切り機を使って作業しています。
田んぼの外周と中に数本の溝を切っていきます。機械で切った溝を全部排水口へ繋げて上手く水が抜けるようにします。
溝切り後の田んぼは、数日間土をしっかり乾かした後に水を引き入れます。

溝切りの様子
溝切りの様子
溝切り後の田んぼ
溝切り後の田んぼ

中干し(なかぼし)

中干しとは、田んぼの水を切ることにより、稲の生育を抑える(無駄な分けつを抑え穂を付ける茎の数を制限する)栽培技術です。
田んぼには常に水が張られているため土中に酸素が供給されません、そのため一時的に水を抜いて土中に酸素を供給する目的もあります。
土をしっかり乾かして固める事で、秋の稲刈りの際にコンバインなどの大型農機での作業が可能になります。

中干し期間のお知らせ
中干し期間のお知らせ
中干し後の土が乾いた田んぼ
中干し後の土が乾いた田んぼ

草刈り

田んぼの畔や、隣接する農道・水路に生えた雑草を刈ります。
雑草の根が張ることにより畦を崩れにくくする働きもありますので、なるべく除草剤は使わずに草を刈る様にしています。
草を刈ることによって、日当たりや風通しを良くし、稲の害虫の住み着く場所を無くします。
日当たりが良くなると、病気の予防や稲の生育も良くなり、カメ虫などの病害虫の発生を抑えるという効果があります。
我が家では、通常は6月・7月・8月の3回行いますが、4回行うこともあります。
オフセットモア(トラクターに装着する草刈り機)・畔草刈り機(自走式の草刈り機)・刈払機を総動員しても1回の草刈りに2週間以上はかかります。
1回の草刈りが終わる頃には、最初に草を刈った田んぼに、また雑草が生えてきてしまいます。
稲刈り前まで続く雑草との戦いですが、真夏に行う作業ですので、暑さとの戦いでもあります。

草刈り後の田んぼ1
草刈り後の田んぼ1
草刈り後の田んぼ2
草刈り後の田んぼ2

防除、黒酢・漢方薬の散布

稲も病気にかかります、多いのが「いもち病」いう病気です。また、カメムシなどの害虫も、おいしい稲をねらってやってきます。 薬剤を散布してこれらを防除しますが、極力農薬の使用量を減らし黒酢と漢方薬を散布しています。
稲穂が実り出した頃、黒酢と漢方薬を散布します。
黒酢に含まれるアミノ酸は旨味や甘味を増す効果があります。病害の予防になる殺菌作用もあり、農薬の代わりにもなります。
そして漢方。天然由来成分の漢方だからできること、それは薬草が持つ自然の効力で、植物が本来持っている免疫力を高め病害虫に負けない強い植物を育てます。光合成を活発にし植物に活力を与えてくれます。

まだ青い、田んぼの稲穂
まだ青い、田んぼの稲穂
黒酢・漢方薬の散布
黒酢・漢方薬の散布

稲刈り

稲穂も実り、いよいよ収穫の秋を迎えます。
9月上旬から稲刈りが始まり、コンバインでの稲刈り、乾燥、調製(籾摺り)の作業が毎日続きます。
我が家では、6条刈りコンバイン1台と3台の乾燥機で行っていますが、全部終わるまでには約一か月くらいかかります。

黄金色の田んぼ
黄金色の田んぼ
黄金色の稲穂
黄金色の稲穂
コンバインでの稲刈りの様子
コンバインでの稲刈りの様子
収穫した籾はダンプで運搬します
収穫した籾はダンプで運搬します

乾燥、調製(籾摺り)

コンバインで収穫された籾は、乾燥機に入れて一定の水分なるまで乾燥させます。
乾燥された籾から籾摺り機で籾殻を取り除き、玄米にします。
玄米を選別機にかけて、小さな粒の玄米をふるい落とします。
選別された玄米は、さらに色彩選別機にかけてカメ虫被害米などの見た目の悪いお米を取り除きます。
これでようやく、お米(玄米)が出来上がりです。
あとは30kgの紙袋に詰めてJA(農協)や米卸業者さんへ出荷します。
我が家で食べる分や直売・通販用のお米は玄米のまま、低温貯蔵庫で保管となります。

乾燥調製設備の様子
乾燥調製設備の様子
乾燥調製作業棟の外観
乾燥調製作業棟の外観
色彩選別機
色彩選別機
低温貯蔵庫
低温貯蔵庫

田起こし

稲刈りが終わった田んぼをトラクターで掘り起こします。
田起こしにより、田んぼ土を乾かし、稲の切り株や刈り草などの有機物を鋤き込みます。
土が乾くと、微生物による有機態窒素の分解が促進され、植物が吸収しやすい無機態窒素に変化します。
また、土を起こして乾かすと、土が空気をたくさん含むので、稲を植えたときに根の成長が促進されます。
稲の切り株や刈り草を鋤き込むことが出来ますので、この有機物を微生物やミミズなどが分解して養分となります。
また、雑草の種子を深く埋めることになり、雑草の発生を減らす効果もあります。

トラクターでの田起こし1
トラクターでの田起こし1
トラクターでの田起こ2
トラクターでの田起こし2